【売切】猫の神様
※初版帯つき、新品定価販売の本です。
彼が死んだのは、暖かい春の陽射しが差し込む、穏やかな朝だった。十年と八ヶ月一緒に暮らしたというのに、それはとてもあっけないお別れだった……ぎじゅ太が死んでからというもの、僕は毎日を呆然と過ごした。僕の薄い膜の中に入って来れるのはみャ太だけだった……こいつは長生きするだろう。これから先、ずっと長い間可愛がって、二人仲良く暮らしていけるはずだ。でもそうはならなかった。おそらくこの時すでに、彼の身体の中では異変が起こっていたのだ。
- 筆者
- 東良美季
- 価格
- ページ数
- 237 P
- 発行年度
- 2012年
- 発行元
- 講談社
- サイズ
- 文庫本