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【売切】クルやお前か(文庫版)

※初版。小口と全体的に軽いヤケがありますが読むには全く差し支えありません。

愛猫ノラが失踪した後にやってきた「カーテル・クルツ」。ノラにそっくりながら、尻尾が短いためKurz(=短いというドイツ語)と命名され、内田家の愛を一心に受けて5年間過ごします。本書はその猫の臨終から始まり、下記の随筆が収められています。タイトルは百閒先生が猫に挨拶する時に、その額に頭を押し付け「クルやお前か」と呼びかけていたことからつけられたもの。いつも一緒に過ごし、晩酌時には白身魚(多くは鰈)を与え、具合が悪くなるとドクトルに毎日往診してもらう、という「猫にやってやりたいことはすべてやった」ほど溺愛したクルツ。最期は家族が号泣するなか息を引き取ったそうで、なんという幸せな猫だったのでしょうか。身もふたもなく嘆き悲しんだ『ノラや』に比べると若干冷静に猫を見ているとは言え、やはり溢れる猫への愛情はいささかも衰えていないように思えました。
<目次> 「クルやお前か」「カーテル・クルツ補遺」「ネコロマンチシズム」「ノラに降る村しぐれ」「ノラ未だ歸らず」「猫の耳の秋風」「肩ぐるま」「坐り込む」「暹羅の闘魚」「虎を描いて」「狗に類する」「しつぽり濡るる」「皮膚虎列刺」「摩阿陀十三年」「ひよどり會」「八十八夜は曇り」「年の始めの」「ヤマハ」「キンタイチ」「片山敏彦君」

筆者
内田百閒
価格
ページ数
201 P
発行年度
1983年
発行元
旺文社
サイズ
文庫本

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