東京の下町で野良として生きるたくましい猫たちの姿が淡々と映し出されています。どの猫も目つきが鋭く、同じ猫写真集でも岩合さんのとはまったく趣が違います。なぜなのか不思議ですが、写真の中の猫たちは著者のことを警戒しているような気がしています。猫とのこの緊張感を表現したいのかどうかいろいろ想像が膨らむ写真集です。ところどころに言葉が散らばっていますがこれは猫たちの言葉ではなく、巻末のエッセイから抜き出されたもののようです。