猫に触れることが苦手だった作家がある日出会った黒猫。短いながらもその猫との出会いによって作家はいろいろなことを知ります。猫がいかにひとを癒すか。野良猫たちがいかに過酷な状況で生きているのか。またその猫たちを救うためにボランティア活動をしている人たちがいることなど。このようにたまたま出会った1匹の猫は作家に命の大切さや沢山の新しい発見をもたらしました。残念ながら動物が飼えない状況のため愛しい猫、「モン・シェリ」は親切な人に託され、作家のもとを去っていきます。
本書はその猫との別れの辛さを乗り越えるために作られた、猫へのラブレターともいえるものです。猫の様々な可愛く、そして美しい姿態が全頁に入っている贅沢な1冊です。
なお、猫と蝶の組み合わせは古来中国で発音が「耄（おいぼれ）=70歳」、「耋（としより）=80歳」と同じで「耄耋（ぼうてつ）」を意味することから長寿をあらわすめでたいモチーフとされてきました。表紙がこの意味をあらわしているかは不明ですが、当店も猫たちが末永く元気に暮らせますように、と願っています。