猫のトムと飼い主のランスさんは、良きパートーナーとして平穏な日々を送っていました。ところが突然、トムの父親と名のる猫が現れて、トムとランスさんはアフリカへと旅立ちます。つぎつぎと襲いくる災難! カバやダチョウの、そして””困った時に読む手紙””の力も借りて、ついに“ゴロンゴロン高原”にたどり着いた二人ですが、さらに困難な事態が──。前作の『ネコのタクシー』で、トムとランスさんの仲の良い生活ぶりを描いた作者が、こんどはあろう事か、二人をアフリカの冒険へと連れだしました。ネコがアフリカに行く? いったいなぜ? どのようにして? 旅費は? そんな読者の疑問もなんのその、物語は巧みに、ごく自然に始まり、はらはらドキドキ、楽しく軽快に、進みます。そして個性的な動物やら意外な人との出会いもあって、大満足の結末を迎えます。獣医でもある作者が、書き手としての並々ならぬ才能をいかんなく発揮した、この上なく楽しい、愉快な冒険物語。さし絵がまたすばらしく、読みだしたら止まりません!