しなやかな体躯、きらきらと光る瞳、可愛らしい耳とヒゲを持つ愛嬌のある顔。猫という生き物は、非常に美しく人を魅了して止まない。猫はときに人に寄り添い、通じ合う存在であり、ときに人には理解し得ない表情で、畏怖と信仰の対象となる。いずれにせよ、猫はいつでも人の傍らに生きてきた。その証拠に、猫と共に語られる物語はこんなにも楽しく、切なく、愛おしいのである。
《内容》
・第1章 猫の旅路
猫の誕生、世界最古の飼い猫は、神の国の猫、地中海世界を超えて、猫の受難、猫の復権、シルクロードを越えて、仙境の猫たち、日本に来た小さな友人たち、猫又と化け猫
・第2章 西洋、地中海世界の猫
エジプトの聖猫、神話と猫、聖書伝承と猫、猫と魔物、ケット・シー、長靴を履いた猫、魔術・呪術に使われる猫、魔女と猫、猫の姿の貴人たち、中東の猫
・第3章 東洋の猫
猫鬼、金華猫、猫神、招き猫、猫又、化け猫、しゃべる猫と踊る猫、猫岳の猫、人が変身した猫、忠義猫、恩に報いる猫、インドの猫、東南アジアの猫
・付録
猫の代表的な品種、猫にまつわる不思議と猫の習性、猫と俗信(日本編)、猫と俗信(世界編)