「子供之友」は婦人之友の創始者羽仁吉一・もと子夫妻によって大正3年創刊され、昭和18年に休刊するまでの30年間、多くの子供たちに愛読されていた絵雑誌です。子供に目を向けた画家、作家、詩人たちによる毎号の愛情あふれる語りかけは、どんなに当時の子供たちの心を深くとらえ、そして純粋な夢を育んだことでしょう。これは、かつてその「子供之友」の誌面を飾った作品で、今日まで本社に保存されてきた原画の中より、特に選んで半世紀ぶりに、画集として再現したものです。現代の新しい印刷技術を駆使し、原画のもつ鮮やかな美しさを忠実に生かすよう努めました。画家たちの、子供によせる熱い思いを充分に味わっていただければ、うれしく思います。絵にはそれぞれ、当時のお話や詩も添えましたので、お子さんに読んできかせて下されば、いっそう楽しく、絵も生き生きと甦ります。