ニューヨークの小さなアパートに住むエイプリルとその両親はシーバという名の黒猫を飼っています。あまりに狭い家なので、エイプリルは6歳にもなるのにまだベビーベッドで寝なければならないほど。そんな中シーバが仔猫を3匹産んでしまったのでさあたいへん！　どの猫を残すかでエイプリルは小さな胸を痛めます。墨絵を思わせる挿絵で、猫たちの姿が生き生きと描かれています。にじみをうまく利用し、猫たちの毛の一本一本がまるで触ることができるほどです。仔猫の愛らしさがモノクロでもひしひしと伝わってくる、長く読み継がれた猫絵本の名作です。作者のクレア・ターレー・ニューベリー（1903年～70年）はアメリカ生まれの有名な猫の絵本作家。日本でもこの本の他に『こねこの三トン』『クリスマスのこねこ』などが翻訳されています。