あまりに有名なイーラの「85枚の猫」オリジナル版です。巻頭にはボードレールの『パリの憂鬱』から「中国人は猫の目に時間を読みとる…」という有名な散文詩が掲載され、序文は『O嬢の物語』の作者といわれるDominique Aury（ドミニク・オーリー）という豪華さ。モノクロームの写真から猫たちの野性味あふれ、気高く、愛らしく、優雅な様が伝わってくる猫写真の永遠の名著。岩合光昭さんも高校生時代にこの本をお手本に猫の写真を撮ったと語っています。作者は若くして不慮の事故で亡くなりましたが、ご存命ならその後もさぞかし魅力的な動物写真を撮っていただろうと残念でなりません。それにしても飛び跳ねる仔猫たちはどうやって撮ったのだろうと不思議に思います。