【売切】猫とともに去りぬ
※2008年第4刷。表紙に薄い汚れありますが、おおむね美本です。
魚になってヴェネツィアを水没の危機から救う一家。ピアノを武器にするカウボーイ。ピサの斜塔を略奪しようとした宇宙人。捨てられた容器が家々を占拠するお話…。現代社会への痛烈なアイロニーを織り込んだ、ユーモアあふれる知的ファンタジー短編集。表題の短編だけに猫が出てくるのですが、ローマ遺跡の猫の大半がもと人間で…という設定には笑えました。猫と元人間の猫たちは星座に「猫」がついていないという理由で天文学者に対してデモを起こします。そういえば星座にはいろいろな動物がいるのに、なぜ猫だけないのでしょうか。かつては猫座(Felis)というのがあったそうですが、現在は使用されていないとか。これではやはり猫のデモが起こるでしょう。著者はイタリアの児童文学作家で国際アンデルセン賞も受賞しています。ブラックなユーモアが漂う大人のための童話集です。
- 筆者
- ジャンニ ロダーリ
- 価格
- ページ数
- 287 P
- 発行年度
- 2006年
- 発行元
- 光文社
- サイズ
- 文庫本