【売切】空を飛んだ黒猫
※初版。表面に軽いスレあり。見返しに薄い、小さいシミが沢山浮いています。中にもシミがあるページがありますが、読むのには全く差し支えありません。
- 筆者
- 文/エミール・ゾフィ 絵/レベッカ・ベルリンガー 訳/富野養二郎
- 価格
- ページ数
- 31 P
- 発行年度
- 1982年
- 発行元
- みみずくぷれす
- サイズ
- 大型本30.4 x 21.4 x 1 cm
店長の感想
原題 Die Fliegende Katze。タイトルは似ていてもあのル=グウィンの『空飛び猫』のようなおとぎ話とはちょっと違って(書かれたのは黒猫の方が先です)、これはもう少しシリアス内容の物語のように思われます。小さくて弱い黒猫が憧れのアフリカ(なぜ暖かいだけでアフリカに行きたいのかが謎です)に行くため、空を飛べる翼を鳥から貰います。その後旅をつづけるために猫の武器である爪や夜でも見える眼、身を守る毛皮を交換していくのです。何かを引き換えにしてまでも真に手に入れたいものを求める気持ちや冒険心を描いているのでしょうか。私には自己を犠牲にして救いや神を求める殉教者のように思えましたが…。結局彼がアフリカに到着できたかどうかは分からないままです。そのためなんとなく落ち着かないお話ではありますが挿絵が可愛く、当店の猫店員に(身体の小ささも含めて)大変似ているので見過ごせない絵本です。