【売切】贋作吾輩は猫である
※1987年第4刷。表紙と小口に経年変化によるシミ、背と中身にもヤケありますが読むには差し支えありません。
1906年に水がめに落っこちた漱石の猫が、這いあがるとそこは1943年だった。酒好きのドイツ語教師、五沙弥先生の家にふらりとはいりこみ、風船画伯、役人の出田羅迷、共産党員鰐果蘭哉、馬溲検校などなど、ひとくせもふたくせもある風流人たちが繰り広げる珍妙な会話を聞く。漱石の弟子であった内田百閒が、老練なユーモアたっぷりに書きあげた『吾輩は猫である』の続篇。
- 筆者
- 内田百閒
- 価格
- ページ数
- 222 P
- 発行年度
- 1980年
- 発行元
- 六興出版
- サイズ
- 17.2 x 11.6 x 1.8 cm
店長の感想
漱石の弟子、内田百閒が正々堂々と師匠のあの超有名作品の贋作版として出したもの。ラストシーンは「池の縁を右に回って」という言葉で終わりますが、これは本家の冒頭で吾輩が「池を左に回って」苦沙弥先生のところに辿りつくところと対をなしていると(勝手に)思っています。