【売切】猫の事務所
※1994年第2刷。表紙カバーなし。表紙にやや角折れと微スレありますが、中身は美本です。
猫の事務所の書記の中に、一匹のかま猫がいました。かま猫とは、寒さに弱くて、夜かまどの中に入って眠るため、からだが煤で汚れている猫のことです。かま猫は、猫仲間のきらわれ者。事務所でも、ほかの書記たちにいつも意地悪ばかりされているのです…。宮沢賢治の童話を黒井健が繊細かつ緊張感のある絵本に。
- 筆者
- 作/宮沢賢治 絵/黒井健
- 価格
- ページ数
- 34 P
- 発行年度
- 1994年
- 発行元
- 偕成社
- サイズ
- 28 x 23.8 x 1 cm
店長の感想
読んでいていたままれない気持ちになる本が時々ありますが、私にとってそのような一冊がこのお話です。気立ても良く、仕事もできるのにちょっとしたことで周囲からうとまれる可哀想なかま猫。そして最後のあっけない終わり方。人間の愚かさや狡さ、弱さなどが描かれていると深読みもできる大人のための童話のような気がします。「めんどうくさがり」だの「短い手を本の間に入れて」だの「あくびをして」だのといった猫の描写は可愛いと思います。