【売切】猫の文学館2 ─この世界の境界を越える猫
※初版帯つき、新品定価販売のお品です。
「チビや死ぬ時はこっそりと死んでおくれよ…」。佐藤春夫は、愛猫の死に際にこうつぶやいた。愛猫ノラが昨晩帰ってこなかったと知った瞬間に号泣した内田百〓(けん)も、転居を機に痩せてきた猫の最期を見守る夏目漱石も、猫を轢いてしまった男が追いつめられてゆく様を描いた吉行淳之介も、星新一も、武田花も、何の前ぶれもなくあちら側に行ってしまった猫に、涙し、おびえ、悼み、そして書いた。日本の小説、詩、エッセイからえりすぐった、猫好きによる、猫好きのためのアンソロジー。思わずぞくっとして、ひっそり涙したくなる35編。
<目次>
1.死んだ猫のゆくえ 2.ペット・ロス症候群 3.猫の精霊ばかりが住む町 4.化け猫と不思議な話 5.猫の一族 編者エッセイ・日常と異界の往還
- 筆者
- 和田博文(編集)
- 価格
- ページ数
- 397 P
- 発行年度
- 2017年
- 発行元
- 筑摩書房
- サイズ
- 文庫本
店長の感想
近代以降、今まであちこちにあった猫エッセイや詩、短編を集めた猫だらけのアンソロジー。Ⅰ、Ⅱとこれらの2冊を読めば猫文学を網羅したと言っても過言ではないでしょう。こちらのⅡは猫がいなくなった悲しみを綴ったものが主になっています。表紙絵はヒグチユウコ「本からぬけ出た化け猫」。