【売切】猫の王―猫はなぜ突然姿を消すのか
※初版帯なし。全体的に美本です。
猫たちはある日突然、家から姿を消すことがある。 こういう経験をもたれた人は多いだろう。これは、猫たちが猫岳に登るために旅に出るのだといわれている。猫岳に登って帰って来た猫は、かならず怪異性をあらわし、尻尾は二股に割れ、耳は裂け、踊りを踊り出すという。家に帰ってこない猫は、「猫の王」になって、猫岳に君臨する。 この「猫の王」の伝承を追い求めて、日本各地はもちろん世界各地に伝わる猫の伝承をたどっていった著者は、ヨ-ロッパに「猫の王」の伝承が色濃くのこっていることに驚く。そればかりではない。日本各地にのこる猫にともなう怪異な伝承の背後に、ユ-ラシア大陸を経、ヨ-ロッパ、さらに遙か古代エジプトにまでつながる共通性があることを探りあてる。 招き猫、猫また屋敷、猫魂、踊る猫、猫山など、日本各地に伝わるさまざまな猫の伝承を紹介するとともに、海の道を通して伝わった猫と猫の伝承の源流を、古今東西の資料をもとに解き明かす猫のエスノロジ-。 猫の魔性の謎を探る知的冒険にさそう壮大な野心作である。
- 筆者
- 小島 瓔禮
- 価格
- ページ数
- 410 P
- 発行年度
- 1999年
- 発行元
- 小学館
- サイズ
- 単行本
店長の感想
猫の伝承や民俗学が好きな方にはぴったりの本です。