19世紀フランスの小説家・シャンフルーリによる『猫』は1869年に出版された猫に関する歴史や逸話、作品などのなどさまざまな話題を取り上げた本で、当時大評判になりました。まあ、19世紀の愛猫本とでもいったらいいのでしょうか。サブタイトルは「その歴史、生態、観察、逸話」となっており、古代エジプトから始まって最後の章では北斎について語られています。ジャポニズムを考えるうえでも興味深い本ですね。また、マネやドラクロワ、日本の浮世絵など、挿絵が約52点入っている豪華なものでもあります。1870年にはオリジナル版画入りの豪華版が刊行され、当店は幸運にもそれも入手することに成功しました。『吾輩ハ猫デアル』の初版本と同様、当店の大切な守り神として大事にしていきたいと思います。
この本はパリの古書店のオヤジさんが探しまくって、奥からやっと出てきた本で1869年の再版となりますが、貴重な本だと思います。