「鼠の草子」とは室町時代に作られた御伽草子です。京都四条堀河院に住む権頭（ごんのかみ）が、子孫に畜生道から脱してもらうために人間の姫君を嫁に迎えようとしますが、うまくいかずに出家して高野山に登るという話です。出家した「猫の坊」と並んで和歌を詠む鼠の権頭。昔の絵巻物のような精密な描写を得意とするユカワアツコさんの凸版印刷のカードです。(封筒付き）

猫の坊　「ねう阿弥よ かかる高野の月を見よ　悪念はなし我な恐れそ」
鼠の権頭「思いきや猫の御坊ともろともに　高野の奥の月を見んと」